インクジェットプリンタ 徒然日記

 
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エプソン PM-3300C UG

なぜ、赤い線がはいる?

この現象にあわれた人には、もうおなじみですが、どうにも不可解です。

規則性や再現性に統一感がありません。出るときもあれば出ないときもある。

印刷のモードや印刷枚数によって現象が消えたりする。

しかし、せっかくの印刷物が1本の筋で台無しになってしまう憎むべき存在です。

 

さて、その原因を考えてみると…

 

 まず、エプソンのプリンタに比較的集中してみられること。しかも、このプリンタが発売された時期の機種に頻発していることが特徴的です。870,890,770,780,3300,3500といった機種に報告が多いようです。キャノンで同様の故障が頻発したと言うことは、私の調べた限りでは見つかりませんでした。

 

 ・ヘッドのほこり説

 これは、確かに1つの原因です。ヘッドをはずさなくては見えませんが、インク噴射面に埃が堆積しているのはよくあることです。このため、ノズルに触れた埃が、インクを流出させ、紙面に筋を引いてしまうという推論です。

 ヘッドを掃除したら現象が消えた、温風で乾燥させたら筋が消えた、という報告があることも裏付けの一つです。ただ、この原因の場合、筋の色はマゼンタに限らず、シアンでも、ブラック、イエローでも可能性はあるはずですが、マゼンタやシアンに症例が多いのは納得できません。また、他のメーカーや後継の機種でも埃が原因なら同様の症状が現れそうなものですが、特定の時期の特定のメーカに偏っているので、積極的に埃説を支持できません。

 

 ・ヘッドの寿命(故障)説

 インクの噴射機構にエラーが発生して、制御が効かなくなった状態ではないかと推論されますが、可能性は低いのではないでしょうか。多くの症例の中にはこの原因によるものが含まれているとは思いますが、修理後の本体でも、1年以内に同様の症状が再発するのは寿命とは考えられません。また、今回の対策のように、症状が改善されると言うことは、ヘッドが寿命を迎えたと、単純に切り捨てるわけにはいきません。

 

 ・モーターのノイズ説

 電磁気的な原因としては、有力な推論です。モーターから発生するノイズが、ヘッドへの回路に作用し、不規則な筋を印刷してしまうというものです。ただ、モーターからのノイズならば、修理した際にモーターの交換を行うはずですが、行われた様子はありません。私の修理伝票には、ヘッドの不良につき、ヘッド交換としか記載されていませんでした。モーターへの注油で現象を緩和させるというという対処法もありますが、試してみた限りでは、効果はありませんでした。

 

 ・ヘッドガイドのシャフトの汚れに起因する説

 ウエブの中には、そういった報告も見られますが、根拠はありません。確かに、一度修理に出した際に、ヘッドガイドのシャフトをクリーニングするスティックが添付されて返却されたことがありますが、それによって筋が解消されることはありませんでした。

 

 ・単純なノズルの詰まり説

 「クリーニングしてみましょう。」というアドバイスが多いことも事実ですが、筋が出る場合、ノズルのチェックでは詰まりがない場合が多く、印刷状態も良好です。ヘッドのクリーニングで回復したという報告も存在しますが、直接の解決策だったとは考えられません。

 

 ・ヘッドのギャップの狂い説

 ギャップの未調整というより、調整したら現象が解消されたという報告からの逆説です。ただ、この説は報告数が少なく、ギャップの調整が不規則な筋につながる根拠が推察できず、一番信憑性に乏しいと考えざるを得ません。

 

 ・パージユニットの不良説 

 ヘッドをクリーニングするためのユニットです。これが、不調になるとクリーニングが行えなくなります。また、パージユニット自体に汚れや埃が付着して、ヘッドに悪影響を与える場合があります。確かに、ヘッドや印刷結果に大きく影響を与える可能性のあるパージユニットですが、赤い線が発生する現象に対して、どのような因果関係を及ぼすのかは、推論できていません。ただ、パージユニットや周辺をクリーニングしておくことは、印刷結果に良い影響を与えるであろうことは間違いありません。

 

<対策>

今回、行った対策はモーターのコードをシールドするというものです。モーターのノイズ説に類似する対策のようですが、モーターから直接ノイズが発生するのであれば、コードのシールドは意味をなさないかもしれません。ただ、上記の原因を1つ1つ考慮して対策を行っていき、最後に回路内に侵入する出所不明のノイズが怪しそうだと思われたので行ってみました。現在の所、筋は発生していませんが、この後また再現することもあるかもしれません。そうすると、また、最初から仮説を考え直しです。

 

 ・稼動部分のグリス切れ仮説

 シールドを行った状態から、数ヶ月で青い線が再発しました。すなわち、モーターのコードからのノイズという説は、根拠が揺らいでしまったわけです。シールド以上のノイズ誘導が発生したと考えられなくもないですが。(これは考えにくい)ところが、この状態から、また青い線を消すことができました。物理的な手段としては、稼動部分のグリスアップとシールドの追加です。(シールドの追加は効果がなく、ほかにもノズルチェックやギャップ調整パターンの印刷、接続ケーブルの再チェックはしましたが…)グリスアップした箇所は別ページで紹介していますが、グリスが切れたことによる、微小な振動がヘッドに作用してインクを吐出させた、と推論する。自分でも、やや無理があるな、と感じています。該当機種を1台しか所有していないので、現象の再現実験ができません。今のところ、仮説段階です。前にヘッドガイドのシャフトの汚れに起因する説で否定したじゃないか、と言われてしまいそうですね。(H20.4.20)

 

<後日談>ギャップ調整?!

 まだ、検討中ではありますが、グリスアップしてからも青い線は発生しました。どうやら、グリスアップは無関係なようです。前回消えたのは何が原因だったのか?はっきりとはわかりませんが、ギャップ調整のパターンを印刷すると症状が軽くなるようです。場合によっては、青い線が消えることもあります。ただ、翌日になってみるときちんと復活するようなので、決定打にはなりません。上記の諸説の中にギャップの狂い説があったのですが、狂いとはあまり関係ないようです。調整パターンを印刷することがどういう風に作用するかはわかりませんが、何らかの作用で症状を一時的に軽減するのかもしれません。(H20.4.30)

<またまたその後>印刷ドキュメントのスプール
 前述のギャップ調整は、ときどき印刷前に実行していると、横線を軽減できました。ただ、しばらくおくとまた元に戻るため、最初の数枚は試し紙に印刷して様子を見るという手順を踏む必要がありました。
 ここで、印刷ドキュメントのスプールの設定を変更すると効果がある。という情報を見つけました。こうなると、ソフトウエア的なアプローチであり、ハードには全く関係ないということになってしまいます。まあ、試してみるのもいいでしょう、ということで設定を変更してみます。
プリンタのプロパティを開いてみると、以下のようになっています。「詳細設定」のタブの内容に、「印刷ドキュメントをスプールし…」という項目がありますので、


全ページをスプールするように設定を変更します。

 
こうすると、印刷が始まるまで少し待たされますが、さて、結果はどうでしょう?

ふ〜む、線がでない。ソフト的な問題なのでしょうか?もう少し、時間をかけて様子を見てみましょう。(H21.5.24)

<半年後>
平成21年も師走になりました。
インクの詰め替えを実験したりしながら、3300Cは細々と活動を続けています。随分とチラシなどを刷りましたが、青い線は出たり消えたりしています。ある程度の規則性のようなものがありましたので、ここに記録しておきます。

(1)印刷の開始時に少しの青い線が出るときがある。
 これは一時的なものなので、数本で消えてしまいます。特に、その後数十枚印刷しても出てこないので、問題はありません。

(2)インクの交換時に線は全面に増大する。
 これは、印刷になりません。見事に、全面が青い線で覆われます。


一部分を切り取ってみました。モノクロ印刷にもかかわらず、この青い線が規則的に全面に印刷されます。

(3)ヘッドのギャップ調整パターンを印刷すると、青い線は解消する。


ギャップの調整パターンはこのような感じで印刷されます。
#1から#3まで印刷されますが、#1は青が濃く、#2は薄くなり、#3では消えてしまします。この後、通常の印刷をしても、もはや青い線は出現しません。

これらのことから、インクの交換時にはギャップ調整パターンを印刷してから、通常印刷に入っています。規則性があれば、これはこれでつきあっていけるものです。

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プリンタヘッドのクリーニング

詰め替えインクの実験

 

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